プライ(Plies)

プライエンティティは、物理的なプライをFEA用に表現したFEAプライを定義します。

物理的プライは、複合材構造を構成する積層材を構成します。物理的プライには、材質、形状(面積)、厚さ、繊維配向の属性があります。同様に、FEAプライは物理的プライと同じデータ属性(材料、形状/面積、厚さ、繊維配向)で構成されます。FEAプライの形状は、閉じたラインによって定義するか、その実際の複雑な形状を最も正確に表している要素群から近似することができます。プライがラインで定義されている場合、プライのリアライゼーションを行い、この情報を、要素を用いて変換します。ライン上に定義されたプライデータは、Catia Composites Parts Design(CPD)データからインポートされます。
要素によって定義されるプライ
FEAプライの形状(領域)は、物理プライの複雑な形状を最も正確に表す要素を選択することによって定義します。図 1では、楕円の物理プライ形状が茶色のラインによって定義されています。対応するFEAプライ形状は、関連付けられたFEAメッシュのグレイの陰影のついた要素によって定義されます。一般に、ある要素の重心が物理プライ形状の境界内に存在している場合、その要素はFEAプライ形状の一部と見なされます。
1.


ラインによって定義されるプライ。
プライは、閉じた領域を構築するラインを選択することによって定義することができます。CPDデータがCatiaファイルからインポートされた場合、プライはライン上に定義されます。
メッシュが利用可能になると、ラインによって定義されたプライは、リアライゼーションを実行することによって要素によって定義されたプライに変換することができます。以下のリアライゼーション / 変換方法があります:
Project normal to target mesh
法線に沿って投影された要素中心がプライ形状の定義面内にある場合、それがプライに割り当てられます。
Normal by ply contour
プライの輪郭線から得られるサーフェス上の法線に沿って投影されます。
Specified direction
手動で投影方向を定義します。
一般にプライの厚みは、材料の単一プライの最終的な硬化した厚みとして定義されます。また、プライは、どの材料でできていてもかまいません(等方性、直交異方性、異方性、または他の任意の材料則)。
2.


プライの繊維方向によって、そのプライ内で繊維が配置される方向が決まります。プライの繊維方向は一般に、-90~90の整数値です。プライの繊維配向は、常に各要素の材料方向に対して、要素の法線方向(厚さ方向)を中心に右手のルールを使って定義し、正の角度を定義します。プライの繊維配向が一定の整数であっても、要素の材料方向は要素ごとに異なる可能性があるため、プライ内の繊維方向を変化させてモデル化することができます。要素の材料方向は、ソルバーインターフェイスによって定義方法が異なります。
3.


複合材の構造を構成するすべてのプライが定義されると、実際のハンドレイアップ成形の工程と同様に、プライが積層体内で特定の順序で積層され、構造の積層体が定義されます。プライは、ジオメトリによって定義されるのか、要素によって定義されるのかに関係なく、積層することができます。

プライの表示のオン / オフ、またはモデリングウィンドウでのプライの表示方法の変更は、View ControlsツールバーのMesh Display設定からアクセスできるPly layers display設定で行います。