HS-5020: I型断面の片持ち梁のStochastic(確率統計)スタディ

本チュートリアルでは、Stochastic(確率統計)スタディを実行し、4つの変数と4つの関数で定義された I型断面の片持ち梁モデルの不確定パラメータを検証します。

開始する前に、HS-5020.hstx<hst.zip>/HS-5020/から自身の作業ディレクトリにコピーしてください。
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Stochastic(確率統計)スタディの実行

ここではStochastic(確率統計)スタディを実行し、評価散布図を確認します。

このスタディでは、w_th、f_lおよびf_thをRandom(ランダム)パラメータ(不確実で、設計によって制御不能)として、hをDesign with Random(ランダムを使用した設計)パラメータ(不確実であるが設計によって制御可能)と見なします。

  1. Stochastic(確率統計)を追加します。
    1. Explorer(エクスプローラ)内で右クリックし、コンテキストメニューからAdd(追加)を選択します。
      Add(追加)ダイアログが開きます。
    2. Definition from(定義元)に、アプローチを選択します。
    3. StochasticSetup(セットアップ)選択し、OKをクリックします。
  2. 入力変数を修正します。
    1. Stochastic(確率統計) > Definition(定義) > Define Input Variables(入力変数の定義)ステップに進みます。
    2. Distribution(分布)タブをクリックします。
    3. Distribution Role(分布情報)列で、Total HeightにDesign with Random(ランダムを使用した設計)を選択します。
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    4. Distribution(分布)列で、アクティブなすべての変数にNormal Variance(通常の分散)が選択されていることを確認します。
      Distribution(分布)列では、Distribution type(分布タイプ)を選択することができます。Normal Variance(通常の分散)(図 3参照)とは、パラメータがそれらの初期値(µ)周りの正規分布に従ってランダム値を取り得ることを意味します。
      3.


  3. Stochastic(確率統計) > Specifications(スタディ仕様)ステップに進みます。
  4. ワークエリアでMode(モード)をSimple Random(シンプルランダム)にセットします。
  5. Settings(セッティング)タブで、Number of Runs(実行の数)を500に変更します。


  6. 適用をクリックします。
  7. Stochastic(確率統計) > Evaluate(評価)ステップに進みます。
  8. Evaluate Tasks(計算実行)をクリックします。
    評価は空間内でランダムにサンプリングされ、設計が評価されます。
  9. Evaluation Scatter(評価散布図)タブをクリックします。
  10. Total HeightとWeb Thickの散布図を確認します。
    図 4に示される評価の散布図は、Total HeightとWeb Thickについてのサンプリングを表しています。Design with Random(ランダムを使用した設計)の分布情報のため、Total Heightについてのサンプリングは、上限と下限の間に入るサンプル以外は切り捨てられます。
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Post-Processing(ポスト処理)結果の確認

このステップでは、Post-Processing(ポスト処理)ステップ内で評価結果を確認します。

  1. Stochastic(確率統計) > Post-Processing(ポスト処理)ステップに進みます。
  2. Distribution(分布)タブをクリックします。
  3. Channel(チャンネル)セレクターで、Histogram(頻度)をクリックします。
  4. 確率統計結果の頻度を確認します。
    図 5 は、Total Height値とWeb Thick値の分布の頻度を示しています。青色の各binは、実行の頻度を示し、応答値のサブ-レンジを与えます。切り捨てサンプリングであるため、Total Heightの頻度は両端における尾部を持たない点にご留意ください。確率密度(赤色のカーブ)は、特定の値をとる変数の相対的な尤度を示します。この値が大きいほど、値はより起こり易くなります。累積分布(緑色のカーブ)は、データの何パーセントが値のしきい値を下回るかを示します。
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  5. Channel(チャンネル)セレクターで、Box Plot(ボックスプロット)をクリックします。
  6. 最終的な外れ値を認識します。
    注: 切り捨てサンプリングであるため、Total Heightには外れ値はありません。
    6.


  7. Reliability(信頼性)タブをクリックします。
  8. 信頼性を追加します。
    1. Add Reliability(信頼性の追加)をクリックします。
    2. Response(応答)をly (r_1)にセットします。
    3. Bound Type(制約タイプ)を>=にセットします。
    4. Bound Value(境界値)に75.596800と入力します。
  9. 手順8を以下の変更で繰り返すことにより、別の信頼性を作成します:
    • Response(応答)をlz (r_2)にセットします。
    • Bound Type(制約タイプ)を>=にセットします。
    • Bound Value(境界値)に14.404800と入力します。
  10. 手順8を以下の変更で繰り返すことにより、別の信頼性を作成します:
    • Response(応答)をDisp (r_4)にセットします。
    • Bound Type(制約タイプ)を<=にセットします。
    • Bound Value(境界値)に4.41e-05と入力します。
    パラメータの不確実性を考慮すると、慣性モーメントと変位が初期設計と異なる値を有する確率は49%となります。
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  11. Reliability Plot(信頼性プロット)タブをクリックします。
  12. グラフを確認します。
    図 8 は、値Web ThickおよびTotal Heightが取り得る信頼性を示します。
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