線形化
一般的なマルチボディシステムは、ほとんど常に非線形です。非線形性は、非線形な構成関係を有する拘束条件、または運動学、フォース要素に起因します。一般に、非線形システムは解析が困難なことで知られています。そのため、MotionSolveで作成した線形化モデルを解析する方が有利であるという判断になることもあります。
MotionSolveは、線形化方程式に基づく以下の2種類の結果タイプを提供します。
安定性および振動解析についての固有解
モデルは、以下の3つの方法のいずれかで定義可能な任意の状態について線形化されます:
- モデルのコンフィギュレーション
- 静的平衡状態
- 過渡解析終了時のコンフィギュレーション
MotionSolveはモデルを線形化し、固有値とノーマルモードを計算します。固有値は、振動モードの固有振動数と安定性を予測します。ノーマルモードは、振動するシステムのモーションパターンを理解する助けとなります。
制御システム設計のためのモデルの線形化
線形化を行うもう一つの一般的な理由は、制御システム設計用にシステムの簡易化したモデルを得ることにあります。これは、ユーザーの機構システムの入力/出力を指定し、MotionSolveを使って下記の形式でシステム(パート)の状態空間を記述した方程式を生成することにより成されます。
入力と出力のセットはそれぞれControl_PlantInput要素およびControl_PlantOutputモデリング要素を用いて定義することが可能です。Param_Linearコマンド要素は、下記の結果をもたらす線形化ソリューションを開始します:
- A、B、CおよびDマトリックスは、それぞれ拡張子.a、.b、.c、.dがついた4つの別々のファイルにMatlabフォーマットで書き出されます。
- 状態空間形式の線形システムは、.mdlファイルにSimulinkフォーマットで書き出されます。
- 線形化に定義された状態は、*.tagファイルに書き出されます。
- 固有値は*.eigファイルに書き出されます。
- 固有ベクトルおよび固有値は、*.tabファイルに表形式で書き出されます。
- 1つの固有ベクトルにつき1つのMRFファイルが書き出されます。このファイルは、MotionViewモデルMDLファイルと組み合わせてモード形状アニメーションに使用されます。これは、Simulink MDLファイルとは異なるファイルです。