HM-4650:LS-DYNAプリシミュレーションによるシート変形

ここでは、ダミーの下のシートの変形をシミュレーションするためのLS-DYNAモデルのセットアップ方法を学習します。

開始する前に、このチュートリアルで使用するファイルを作業ディレクトリにコピーします。

ここで使用されている運転席と環境には、National Crash Analysis Center (NCAC) ウェブサイトで公開されているLS-DYNA Toyota Yarisモデルを使います。

また、LS-DYNAダミーモデルは、NHTSAウェブサイトで公開されている、THOR-Mod Kit/Metric crash test dummy with SD3 shoulderを使用します。

LS-DYNAプロファイルの読み込み

このステップでは、HyperMeshLS-DYNAプロファイルを読み込みます。

  1. HyperMeshを開始します。
  2. プロファイルをLsDynaに設定します。

モデルファイルの取得と表示

このステップではモデルファイルを開き、HyperMeshで表示します。

  1. メニューバーFile(ファイル) > Open(開く) > HyperMesh Model(HyperMeshモデル)をクリックします。
  2. ダイアログでseat_deformer.hmファイルを選択します。
モデルがモデリングウィンドウ内に開かれます。
1.


Hポイント位置へのダミーの配置

このステップでは、ダミーをシート上のHポイント位置に移動します。

  1. Safety(安全解析)リボンから Dummy(ダミー)ツールをクリックします。
    2.


  2. Dummyブラウザで、THOR_FEダミーエンティティをクリックします。
    3.


    エンティティエディターでグローバルな位置パラメータがアクティブ化されます。
  3. Global rotationの下のRxに、180と入力します。
    ダミーが回転します。
  4. H-Point locationに座標を入力します。
  5. モデリングウィンドウ図 4に示されているようにシート上のH-Point Locationというタグの付いた節点を選択します。
    4.


    ダミーが選択したHポイントの位置に自動的に移動します。
    5.


シート変形モデルの生成

このステップでは、LS-DYNAシミュレーション用のシート変形モデルを生成します。

ダミーをシート上のHポイントに配置すると、図 6に示すように、ダミーとシートフォームパート間の交差が発生します。
6.


ダミー下のシートの変形をシミュレートするため、Seat Deformerツールにより、適切なソルバーに対する入力デックをエクスポートできます。その後、シミュレーション結果ファイルをインポートすることで、初期FEモデルを更新し、ダミーとシートの間の交差と貫通を除去します。
7.


  1. Safety(安全解析)リボンで、Seat Deformer(シート変形)ツールの横の矢印をクリックし、Seat Deformer(シート変形)を選択します。
    8.


  2. PreSimulationダイアログのPreSimulation Set-Upの下で、Unit Systemをmm,ms,kgに設定します。
  3. シートフォームを貫通するダミーコンポーネントを選択します。
    1. Dummy欄で、0 Components > Componentsをクリックします。
    2. Select Componentsダイアログで、図 9に示すコンポーネントを選択し、OKをクリックします。
      9.


  4. シートメカニズムを選択します。
    1. Seat欄でセレクターをMechanismsに切り替えます。
    2. 0 Mechanisms > Mechanismsをクリックします。
    3. Select MechanismsダイアログでDriver_Seatを選択し、OKをクリックします。
      注: メカニズムを選択することで、ボディで定義されたコンポーネントのみが考慮されます。節点は考慮されません。この例で、Seat_Cushionボディはコンポーネントのセットと節点のセットで構成されています。このプロセスで節点は考慮されません。
      10.


  5. シート上の固定節点を選択します。
    1. Fixed Nodes Of Seat欄で、0 Nodes > Nodesをクリックします。
    2. ダイアログで、図 11に示すコンポーネントを選択し、OKをクリックします。
      11.


  6. Dummy Displacement Direction欄に、-0.3, 0, -0.7と入力します。
  7. Export File欄に、作業ディレクトリのファイルパスと名前を指定します。
  8. Dummy Velocity欄に1.0mm/msと入力します。
  9. Dummy Displacement Step欄に、20.0mmと入力します。
  10. Imposed Contact Thickness欄に、1.0mmと入力します。
  11. Exportをクリックして、LS-DYNAシート変形事前シミュレーション入力デックのエクスポートプロセスを開始します。
LS-DYNAモデルは指定の場所にエクスポートされます。LS-DYNAモデルはソルバーで解析される準備が整っています。

シミュレーション結果の確認とモデルの更新

このステップでは、シート変形シミュレーションの結果を確認し、HyperMeshで初期モデルを更新します。

  1. シミュレーション結果を確認します。
    1. HyperMeshでd3plotファイルを見つけ、アニメーションを表示します。
      シート上の変位の状態は図 12のようになります。
      12.


    2. LS-DYNAによりdynainファイルが書き出されたことを確認します。
      dynainファイルには、シミュレーション終了時のシート節点の新しい座標と、シートモデルに存在する異なるタイプの要素(梁/シェル/ソリッド)の*INITIAL_STRESSカードが含まれています。
  2. 初期モデルを更新します。
    1. オプション: Pre-Simulation(Seat Deformer)ツールが閉じている場合はこれを開きます。
    2. Import *INITIAL_STRESS_SOLIDチェックボックスが有効になっていることを確認します。
      Import *INITIAL_STRESS_SOLIDチェックボックスが有効の場合、シミュレーション結果から取得された初期応力値を使用してソリッド要素が更新されます。
    3. Import dynain Fileをクリックします。
    4. シート変形シミュレーションのdynainファイルを選択します。
      デフォルトでは、シートとソリッド要素の節点座標が、対応する初期応力カードで更新されます。結果として得られる更新されたモデルは、図 13のようになります。
      13.