MotionView入門 - パート1
このチュートリアルは、マルチボディモデリングを初めて使用するユーザーが、MotionViewのインターフェースや、モデル構築、解析、結果のレビューのプロセスに慣れるのに役立ちます。
開始する前に、このチュートリアルで使用するファイルを作業ディレクトリにコピーします。
このチュートリアルでは、以下のことを行います:
- MotionViewの起動
- CAD形状のインポート
- モデルのセットアップ
- モデルの解析
- 結果の確認
MotionViewの起動
このステップでは、MotionViewを起動する方法を学習します。
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Windowsの場合、
の順にクリックするか、Altair ConnectMeアプリを使用します(インストールされている場合)。起動すると、下図のようにランチャーウィンドウが表示されます。
図 1. ランチャーウィンドウ
- MotionViewを選択し、新しいセッションを作成します。
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Linuxの場合、開いているターミナルで
~hw_install/altair/scripts/mview
を起動します(~hw_install
はインストール場所)。
- MotionViewインターフェース
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新しいセッションが開始され、ページ / ウィンドウにMotionViewがアクティブクライアントとして表示されます。注: 1つのセッションは、1つまたは複数のページで構成できます。各ページは複数のウィンドウレイアウトを持つことができ、各ウィンドウはそれぞれ別のクライアントを有し、さまざまなモデリングニーズや結果確認ニーズに対応しています。以下のクライアントを使用できます:
- HyperGraph - プロッティング
- HyperMesh - 有限要素モデリング
- HyperView - アニメーション
- MotionView - マルチボディモデリング
- TableView - テーブル処理
- TextView - テキスト処理
図 2. インターフェース要素
MotionViewは、以下のさまざまな領域で構成されています:- Title Barには、セッションファイル名とアクティブな製品バージョンが表示されます。
- Menu Barからは、リボン、ファイル管理操作などの標準機能、システムプリファレンス、ヘルプ、インターフェースの各種領域の表示設定にアクセスできます。メニューバーから、アクティブな製品を変更することもできます。
- Pages and Windowsを変更することで、メインの表示領域を制御できます。各ページは、最大16個のウィンドウを持つことが可能です。
- Searchでは、リボンからもアクセスできるさまざまなツールや機能をすばやく見つけることができます。
- RibbonはMotionViewの上部にあり、ここからツールや標準機能にすばやくアクセスできます。アイコンをクリックすると、関連ツールが開きます。アイコングループにサブレベルのオプションが存在する場合、そのオプション用のアイコンが表示されます。
- Model Browserには、モデルのさまざまなエンティティがツリーベースのフォーマットでリストされます。コンテキストメニューからは、ツリーの各ノードに対してコピー / ペーストや表示 / 非表示などのさまざまな操作を実行できます。
- Entity Editorには、選択したエンティティのすべてのプロパティがリストされます。
- Modeling Windowには、セットアップ中のモデルが表示されるほか、ソルバー実行時(MotionSolveのみ)および結果確認時にモデルがアニメーション表示されます。ここには、Guide Bar、Microdialog、Toolbelt、Entity Selection Filterなど、他のインタラクティブ領域も含まれています。
- Client Windowでは、HyperGraphやHyperViewなど、その他のクライアントを横に並べて操作できます。
- Status Barには、現在読み込まれているモデルに関する情報が示され、MotionViewのステータスが随時表示されます(ReadyやImporting Geometryなど)。
- View Controlsでは、モデリングウィンドウ内のモデルのビューと表示を制御できます。
- Animation Controlsでは、実行後にモデルのアニメーションを確認できます。
CAD形状のインポート
このステップでは、MotionViewでCAD形状ファイルをインポートする方法を学習します。
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モデルブラウザからモデルのデフォルトのコンテンツを確認します。
図 3. モデルブラウザ
注: モデルブラウザの各エンティティフォルダーは、展開したり折りたたんだりしてそのコンテンツを確認でき、同じフォルダーに含まれているエンティティの数がかっこ内に表示されます。例えば、BodiesフォルダーにはデフォルトでGround Bodyがあります。Ground Bodyは、シミュレーション時に移動しません。 -
次のいずれかの方法でCAD形状をインポートします:
- PistonCylinderAssembly.x_tを作業ディレクトリからMotionViewクライアントのモデリングウィンドウにドラッグ&ドロップします。
- メニューバーからPistonCylinderAssembly.x_tを選択して、Openをクリックします。 の順にクリックし、
形状がインポートされます。図 4. インポートされたCAD形状
モデルブラウザを確認します。ここには、8つのBodies(Ground Bodyを除く)と8つのGraphicsエンティティが表示されています。形状がインポートされると、各CADコンポーネントはBodyエンティティと、CADGraphicsタイプの対応するGraphicエンティティで表されます。- Bodyエンティティは質量と慣性を表します。
- Graphicエンティティは、可視化や接触問題の解析に使用される形状オブジェクトです。
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モデリングウィンドウでモデルを操作するには、以下のマウスコントロールを使用します:
- モデルをパン(Pan)するには、右ボタンを押しながらマウスをドラッグします。
- 回転(Rotate)するには、中央ボタン(またはShiftキー+右ボタン)を押しながらマウスをドラッグします。
- スクロールホイールを使用すると、マウスカーソルを中心にしてズーム(Zoom)できます。
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モデリングウィンドウで、Piston(下図の緑色のコンポーネント)にカーソルを合わせます。このオブジェクトがハイライト表示され、このオブジェクトのラベルが吹き出しテキストで表示されます。このオブジェクトをクリックすると、このボディが選択されます。
図 5. モデリングウィンドウからの選択
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Entity Selection filter(モデリングウィンドウの左上)をAllからGraphicsに変更し、画面上の同じPistonオブジェクトをもう一度クリックします。
図 6. エンティティ選択フィルターの使用
注: 今回は、Graphicsエンティティが選択されました(モデルブラウザで示されています)。 - モデリングウィンドウ内の空白領域をダブルクリックして、すべての選択を解除します。
- Entity Selection filterをAllに戻します。
モデルのセットアップ
このステップでは、モデルをセットアップする方法を学習します。
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BearingボディとCylinderボディを接地します。
図 7. Ground Groupコンテキストでのボディの接地
注:- 複数のボディを接地または接地解除する場合は、Groundコンテキストを使用すると便利です。
- ボディを右クリックして表示されるコンテキストメニューのGroundオプションを使用して、ボディを接地することもできます。
- モデルブラウザでGround Groupを確認します。このグループを選択すると、接地されているすべてのボディがハイライト表示されます。
- ボディが接地されると、この接地されたボディを親に持つエンティティは、解析時にGround Bodyに移動されます。
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PistonHead Rigid Groupをセットアップします。
Rigid Groupは、互いに剛結合されているとみなされるボディの集合です。この概念はGround Groupと似ていますが、Rigid Groupは集合的に表され、解析時に1つの剛体として扱われる点が異なります。
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3つのボディCrankWeb、CrankPin、CrankShaftNoseを含む別のRigidGroupをセットアップします。RigidGroupの名前を‘Crank’に変更します(Rename)。
注: 詳しい手順については、前のステップ2(2)をご参照ください。
図 11. Crank RigidGroupの作成
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(Finish Editing)を2回クリックして、Rigid Groupコンテキストを終了します。
または
モデリングウィンドウで右クリックし、緑色のチェックマーク
を選択してRigidGroupコンテキストを終了します。
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モデルを保存
します。
図 12. リボンアイコンを使用したモデルの保存
- HomeグループのSave Modelアイコンをクリックします。
- 表示されるSave As Modelダイアログで、作業ディレクトリに移動して、このファイルにMV_intro1.mdlという名前を付けます。
- Saveをクリックします。
注: モデルは、 を使用して保存することもできます。 -
BearingとCrankの間に回転ジョイントを作成します。
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CrankPinをBody 1として、PistonRodをBody 2として、Crank Bossの内側サーフェス中心をジョイントのOriginとして使用して、回転ジョイントを作成します。ジョイントの方向としてGlobal Xを選択します。
図 21. CrankPinとPistonRod間の回転ジョイント
注: 前のジョイントと同じ方向設定手順に従ってください。 -
PistonRodをBody 1として、PistonPinをBody 2として、PistonRod穴のサーフェス中心をジョイントのOriginとして使用して、もう1つの回転ジョイントを作成します。
図 22. PistonRodとPistonPin間の回転ジョイント
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PistonをBody 1、CylinderをBody 2とし、Pistonの外側サーフェス中心をジョイントのOriginとする円筒ジョイントを作成します。ジョイントの方向としてGlobal Zを選択します。
図 24. PistonとCylinder間の円筒ジョイント
図 25. 円筒ジョイントの方向軸
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ガイドバーのCancelボタン
をクリックして、Jointコンテキストを終了します。
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Save
をクリックして、モデルを保存します。
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View ControlsツールバーのFitアイコンをクリックして、モデルを画面いっぱいに表示します。
ヒント: キーボードショートカット“F”を使用して、モデルを画面いっぱいに表示することもできます。
モデルの解析
このステップでは、モデルを解析する方法を学習します。
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1秒間の過渡解析を実行します。
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リボンバーからAnalyze(解析)を選択し、Solution(ソリューション)グループのQuick
Start/Stop Motion Analysis(モーション解析の開始/終了)ボタンをクリックします。
図 26. クィックランの実行
注: MotionViewはモデルチェックを実行してから、MotionSolveにランを投入します。モデルの動きは、解析の進行中にMotionViewウィンドウで確認できます。モデル内に力は定義されていませんが、パートはデフォルトの重力を受けて落下する際に動きます。Run Statusダイアログが開き、進行中の現在のランのステータスが表示されます。注: ランが完了すると、リボンのRunアイコン付近に青いチェックマークが表示され、ランが正常に完了して、モデルで結果が得られていることが示されます。ラン後に、モードは自動的にResults Reviewコンテキストに設定され、Runアイコンが青色でハイライト表示されます。図 27. ラン結果レビューのコンテキスト
結果の確認
このステップでは、モデル結果をポスト処理する方法を学習します。
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Play/Pauseボタンを使用します。スライダーをドラッグして特定のアニメーションタイムフレームを確認することもできます。
図 28. アニメーションコントロール
注: MotionViewクライアントでアニメーション表示されるポスト処理機能は限られています。 -
プロットを作成します。
- Run statusダイアログのPlotボタンをクリックします(または、実行エントリを右クリックし、コンテキストメニューからPlot Results on HyperGraphを選択します)。
HyperGraphクライアントを含む新しいページがセッションに追加され、Create Curves by Fileダイアログが表示されます。MotionSolve結果ファイル(*.mrf)があらかじめ選択されています。 -
シリンダーに沿ったピストンの変位を表すカーブをプロットします。
- TypesリストからBodyを選択します。
- RequestsリストからPart/76000000 PistonHeadを選択します。
- ComponentsリストからZを選択します。
- Plotをクリックしてから、Cancelをクリックします。
図 29. HyperGraphでのカーブのプロット
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アプリケーションの右上にあるページナビゲーションアイコン
を使用して、最初のページに移動します。
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メニューバーから
の順にクリックします。
図 30. セッションの保存
- 作業ディレクトリを選択し、セッションファイルをMV_Getting_Started.mvwとして保存します。
注: セッションを保存すると、そのセッション内のMotionViewモデルが自動的に保存されます。