MATF
バルクデータエントリ 破壊基準計算のために材料特性と破壊モデルパラメータを定義します。
フォーマットA - Implicit
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | MID | ||||||||
CRI | CRITERIA | TID/V1 | V2 | V3 | V4 | V5 | V6 | ||
V7 | V8 | V9 | V10 | V11 | V12 | W1 | |||
W2 | W3 | W4 | |||||||
etc. |
フォーマットB - Explicit
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | MID | DAMAGE | DC | EXP | LENDT | PFAIL | |||
CRI | CRITERIA | EPS_TID/ MATER/ INI_ID/V1 | V2/EVO_ID | V3 | V4 | V5 | V6 | ||
INST_ID | V7 | V8 | V9 | ||||||
DEP_L | E_TID | EL_REF | FE_SCL | ||||||
DEP_SR | V_TID | V_REF | VT_SCL | JC |
例 A
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 100 | ||||||||
CRI | PUCK | 3.E5 | 3.E5 | 3.E5 | 3.E5 | 3.E5 | |||
0.25 | |||||||||
0.25 | 0.25 |
例B.1(従来の入力による非線形の部分連成BIQUAD基準)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | DAMAGE | 0.2 | 2.0 | LENDT | ||||
CRI | BIQUAD | 1.5 | 0.25 | 0.35 | 0.09 | 0.12 | |||
0.045 |
例B.2(ひずみ速度依存性を伴う連成相当ひずみTSTRN基準)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | DAMAGE | 0.0 | 1.0 | |||||
CRI | TSTRN | 0.05 | 50.0 | ||||||
DEP_SR | 9 | 2.1 | 1.5 |
例B.3(制御されたネッキングと要素サイズ依存性を伴う連成TAB基準)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | DAMAGE | 0.0 | 2.5 | LENDT | ||||
CRI | TAB | 36 | 1.0 | 2.0 | |||||
36 | 0.5 | -0.33 | 0.66 | ||||||
DEP_L | 9 | 5.2 | 0.8 |
例B.4(材料BIQUADの基準入力を使用した破壊指標)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | ||||||||
CRI | BIQUAD | MILD | 0.3 |
例B.5(DMGINIエントリとDMGEVOエントリによるINIEVO基準を使用した破壊)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | ||||||||
CRI | INIEVO | 36 | 37 | ||||||
例B.6(要素削除とひずみ速度依存性を伴う最大塑性ひずみ基準)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | DAMAGE | 1.0 | ||||||
CRI | PLAS | 0.35 | |||||||
DEP_SR | 9 | 2.1 | 1.5 | ||||||
例B.7(要素削除とひずみ速度依存性を伴うJohnson-Cook基準)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MATF | 1 | DAMAGE | 1.0 | ||||||
CRI | JOHNSON | 0.135 | 2.99 | 6.3 | |||||
DEP_SR | 9 | 2.1 | 1.5 | ||||||
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
MID | 材料識別番号。 (整数 > 0) |
|
CRI | 破壊基準の入力データが次に続くことを示すフラグ。 3 | |
CRITERIA | 選択された破壊基準を表す文字列。
デフォルト値はありません。 |
|
TID | 温度(Xi)と損傷の開始時の等価塑性ひずみ(Yi)の関係を特定するTABLEMDエントリの識別番号。 6 | |
Vi | 材料限界。1、 2 (実数) |
|
Wi | 破壊基準計算のパラメータ。 3
(実数 > 0.0) |
|
DAMAGE | 要素削除と応力軟化をアクティブ化するためのフラグ。2、 8 デフォルトでは、損傷は出力変数としてのみ使用されます。 デフォルト = 空白 |
|
応力軟化がトリガーされる臨界損傷値。これは、DAMAGEがアクティブ化されている場合にのみ有効です。2、 8
|
||
EXP | 応力軟化の非線形指数。これは、DAMAGEがアクティブ化されている場合にのみ有効です。2、 8 デフォルト = 1.0(実数) |
|
LENDT | 要素特性長さ定式化を選択するためのオプションのキーワード。
|
|
PFAIL | 要素削除前の破断した積分点のパーセンテージ。
デフォルト = 1.0(0 < 実数 < = 1) |
|
EPS_TID | CRI=TABの場合。 応力三軸度とLodeパラメータに関する破壊進展時の塑性ひずみを定義するTABLEMD ID。 デフォルト値はありません(整数) |
|
MATER | CRI=BIQUADの場合。 部分的に自動的なパラメータセットアップのための文字列セレクター。 これはオプションであり、材料データが得られない場合に使用できます。 注: ただし、正確な計算のためには、やはり少なくともc3を指定することが推奨されます。
|
|
INST_ID | CRI=TABの場合。 応力三軸度とLodeパラメータに関するネッキング不安定性進展時の塑性ひずみを定義するTABLEMD ID。 デフォルト = 空白(整数) |
|
DEP_L | 要素サイズ依存性をアクティブ化するためのフラグ。 4 デフォルト値はありません。 |
|
E_TID | (オプション)表形式要素サイズ依存性のTABLEMD ID。 デフォルト = 空白(整数) |
|
EL_REF | 参照要素サイズ。 デフォルト = 空白または1.0(E_TIDが定義されている場合(Real)) |
|
FE_SCALE | 要素サイズ依存性テーブルのスケールファクター。 これは、このテーブルで定義された値の増減率に影響を与えます。 デフォルト = 空白または1.0(E_TIDが定義されている場合(Real)) |
|
DEP_SR | ひずみ速度依存性をアクティブ化するためのフラグ。 3 | |
V_TID | ひずみ速度依存性のTABLEMD ID。 デフォルト = 空白(整数) |
|
V_REF | 参照ひずみ速度 デフォルト = 1.0(実数) |
|
VT_SCALE | ひずみ速度依存表のスケールファクター。 これは、このテーブルで指定された値の増減率に影響を与えます。 デフォルト = 1.0(実数) |
|
JC | Johnson-Cookひずみ速度依存係数。 デフォルト = 0.0(実数) |
|
INI_ID | CRI=INIEVOの場合。 7 DMGINIバルクデータエントリのID。 |
|
EVO_ID | CRI=INIEVOの場合 DMGEVOバルクデータエントリのID。 デフォルト = 空白(整数) |
コメント
- MIDフィールドは、MAT1、MAT2、MAT8、MAT9、またはMAT9ORエントリを参照する場合があります。
- 様々な損傷基準のサポート情報:
解析タイプ サポートされる基準 陰解法解析(線形 / 非線形(SMDISP/LGDISP)静解析 / 過渡解析) PUCK, HILL, HOFF, TSAI, HASH, STRN, STRS, DUCTILE, PUCK3D, HILL3D, HOFF3D, TSAI3D, HASH3D, STRN3D, STRS3D, CNTZ3D 陽解法動解析 BIQUAD, TSTRN, TAB, INIEVO, PLAS - 単一のMATFバルクデータエントリで複数の異なる破壊基準を定義できます。したがって、CRI継続行を繰り返すことができ、複数の異なる破壊基準を指定できます。ただし、特定の破壊基準をMATFエントリで繰り返すことはできません。PCOMP(G)およびPLY(PCOMPPの場合)エントリのMID#フィールドにある、(MATFと同じIDの)対応する材料エントリを参照することによって、さまざまな材料に対してさまざまな破壊基準を定義できます。単一の複合材プロパティに複数の異なる破壊基準を定義する必要がある場合は、MATFエントリを使用します。
コメント:フォーマットA
- 積層シェル(PCOMP/PCOMPP/PCOMPG)では次のようになります。V1、V2~V5は、材料の応力 / ひずみ限界を指定します。
- V1
- 縦方向の引張応力 / ひずみの限界
- V2
- 縦方向の圧縮応力 / ひずみの限界
- V3
- 横方向の引張応力 / ひずみの限界
- V4
- 横方向の圧縮応力 / ひずみの限界
- V5
- 平面内のせん断応力 / ひずみの限界
STRS破壊基準では、入力する許容値は応力許容値である必要があります。
STRN破壊基準では、入力する許容値はひずみ許容値である必要があります。OptiStructは、STRN破壊基準については内部変換を行いません。定義された値は、MATFのSTRN破壊基準のひずみ許容値として直接使用されます。
STRN破壊基準では、MAT8エントリのSTRNフィールドは、MATFエントリで定義された許容値に影響を与えません。
ソリッド要素(MAT9/MAT9OR)および連続体シェル(PCOMPLS)では次のようになります。
V1、V2~V9は、材料の応力 / ひずみ限界を指定します。- V1
- 1-1方向の引張応力 / ひずみの限界
- V2
- 1-1方向の圧縮応力 / ひずみの限界
- V3
- 2-2方向の引張応力 / ひずみの限界
- V4
- 2-2方向の圧縮応力 / ひずみの限界
- V5
- 3-3方向の引張応力 / ひずみの限界
- V6
- 3-3方向の圧縮応力 / ひずみの限界
- V7
- 1--2方向のせん断応力 / ひずみの限界
- V8
- 2--3方向のせん断応力 / ひずみの限界
- V9
- 1--3方向のせん断応力 / ひずみの限界
座標系1-2-3は、MAT9を使用したソリッド要素または連続体シェル要素にユーザーが定義します。
STRS3D破壊基準では、入力する許容値は応力許容値である必要があります。
STRN3D破壊基準では、入力する許容値はひずみ許容値である必要があります。OptiStructは、STRN3D破壊基準については内部変換を行いません。定義された値は、MATFのSTRN3D破壊基準のひずみ許容値として直接使用されます。
- V10、V11、およびV12は、TSAI/TSAI3D基準に使用されます。
- TSAIの場合:
- V10: 項の連成係数 。
- V10が空白の場合、連成係数はW1から算出されます。
- V10とW1の両方が空白の場合、連成係数は0.0です。
- TSAI3Dの場合:
- V10: 項の連成係数 。
- V11: 項の連成係数 。
- V12: 項の連成係数 。
- V10、V11、およびV12がすべて空白である場合、連成係数はW1、W2、およびW3から算出されます。
- V10、V11、およびV12と、W1、W2、およびW3がすべて空白の場合、連成係数は0.0です。
- TSAIの場合:
- W1、W2、W3、およびW4の定義は、指定された破壊基準に依存します。
- PUCK/PUCK3Dは、次の破壊エンベロープのパラメータを指定します:
- W1
- 破壊エンベロープ係数12(-)
- W2
- 破壊エンベロープ係数12(+)。
- W3
- 破壊エンベロープ係数22(-)
- W4
- 破壊エンベロープ係数22(+)。
- 異方性ソリッド材料のTSAI3D
V10、V11、およびV12が空白の場合、これらは等二軸引張試験における引張応力限界です。W1は、2つの引張荷重を方向1と方向2に適用する等二軸試験における引張応力限界です。W1は必須であり、W2とW3はオプションです。W2とW3を指定していない場合、これらはW1と同じ値に設定されます。W2とW3の定義はW1に似ています。W2は、2つの引張荷重を方向2と方向3に適用する等二軸引張試験における引張応力限界です。W3は、2つの引張荷重を方向1と方向3に適用する等二軸引張試験における引張応力限界です。
V10、V11、およびV12が定義されている場合、W1、W2、およびW3はTSAI3Dでは無視されます。
- HASH3D
Hashin破壊基準を連続体シェル要素に適用する場合、W1がalphaとして設定され、引張繊維チェックで横せん断応力(1-2方向と1-3方向)が考慮されます。W1が空白の場合、alphaは1.0と見なされます。
- CNTZ3DCuntze破壊基準を使用する場合は、2つの自由曲線パラメータ と に対応するW1とW2を指定する必要があります。2つの曲線パラメータは、実験による多軸試験データから決定することができます。Cuntze 1では、GFRP、CFRP、およびAFRPの安全を期した制限値を次のように想定しています:
図 1.
- PUCK/PUCK3Dは、次の破壊エンベロープのパラメータを指定します:
- いくつかの破壊基準がPCOMP(G/P)(MATi上の許容値)とMATFの両方で定義されている場合は、以下のようになります:
- PCOMP(G/P)プロパティとMATFエントリの両方で同じ基準タイプが定義されている場合は、MATFエントリで定義された許容値が破壊基準の計算で使用されます。MATFエントリは、対応するMATiエントリ(存在する場合)で定義された許容値を上書きします。
- いくつかの基準がPCOMP(G/P)のみで定義されているが、MATFでは定義されていない場合、そのような基準では、許容値は対応するMATiエントリから取得されます。
- いくつかの基準がMATFで定義されており、PARAM,ALLFT,YESが存在する場合、MATFで定義された基準では、MATFで定義された許容値が使用されます。ただし、MATFで定義されていない基準は、対応するMATiエントリで定義された許容値に基づいて計算されます。
- 次の基準は、MATFエントリにのみ定義できます。
PUCK、DUCTILE、PUCK3D、HILL3D、HOFF3D、TSAI3D、HASH3D、STRN3D、CNTZ3D。
残りの基準は、対応するエントリPCOMPP/PCOMPG/PCOMPのFTフィールドでも定義できます。
PUCK破壊基準は、エントリPCOMPP/PCOMPG/PCOMPのFTフィールドで使用できますが、それに対応する破壊エンベロープ係数(W1、W2、W3)は、MATFエントリにのみ定義できます。したがって、エントリPCOMP/PCOMPG/PCOMPPのFTフィールドでPUCK破壊基準を要求した場合、MATFエントリは必須であり、PUCK基準専用のMATFで基準の許容値を定義する必要があります。PUCK破壊基準を使用するには、対応する材料エントリを参照するMIDと共にMATFエントリを指定する必要があります。
- CRITERIAフィールドをDUCTILEに設定する場合、TIDフィールドはNDEPが1に設定されたTABLEMDエントリを指すようにします。最初のデータ列(Yi)は、損傷の開始時の相当塑性ひずみです。2番目のデータ列(Xi)は、対応する温度です。2番目の列は昇順で指定する必要があります。
OSTTS解析でCRITERIAフィールドがDUCTILEに設定されている場合、温度ごとに温度ベースの参照が行われ、TABLEMDエントリから対応する相当塑性ひずみが特定されます。この相当塑性ひずみを計算されたフォンミーゼスひずみと共に使用して、損傷を計算します(この損傷は、DAMAGE入出力オプションエントリを使用して出力できます)。
- 次の表は、サポートされている破壊基準を各種プロパティおよび材料と共に示しています。
表 1. シェル要素 PSHELL PCOMP/PCOMPG/PCOMPP MAT1/MAT2/MAT8 HILL No Yes HOFF No Yes TSAI No Yes STRN No Yes STRS No Yes HASHIN No Yes PUCK No Yes DUCTILE No Yes 表 2. ソリッド要素 PSOLID PCOMPLS MAT9 MAT9OR MAT9 MAT9OR HILL3D Yes Yes Yes Yes HOFF3D Yes Yes Yes Yes TSAI3D Yes Yes Yes Yes STRN3D Yes Yes Yes Yes STRS3D Yes Yes Yes Yes HASH3D No Yes Yes Yes PUCH3D No Yes Yes Yes CNTZ3D No Yes Yes Yes
コメント:フォーマットB
- 陽解法動解析(フォーマットB)の異なる基準におけるV1~V8の使い方は以下の通り:
Vi BIQUAD TSTRN TAB PLAS JOHNSON V1 - 損傷が始まるフォンミーゼス相当ひずみ(eps_es) EPS_TIDテーブルのスケールファクター 最大塑性ひずみ値 最初のJohnson-CookパラメータD1。 V2 単純圧縮における破壊塑性ひずみc1 損傷が終了するフォンミーゼス相当ひずみ(eps_ee) 損傷変数進展の指数n 臨界薄膜ひずみ(EPS_THIN): > 0.0:全薄膜ひずみ
< 0.0:塑性薄膜ひずみ
最初のJohnson-CookパラメータD2。 V3 純せん断における破壊塑性ひずみc2 損傷が始まる最大主相当ひずみ(eps_p1) - 臨界主ひずみ(EPS_MAJ) 最初のJohnson-CookパラメータD3。 V4 単純引張における破壊塑性ひずみc3 損傷が終了する最大主相当ひずみ(eps_p2) - V5 平面ひずみにおける破壊塑性ひずみc4 - - V6 二軸引張における破壊塑性ひずみc5 - - V7 平面ひずみにおけるネッキング不安定性塑性ひずみ - INST_TIDテーブルのスケールファクター V8 - - 要素サイズ正則化の応力三軸度下限 V9 要素サイズ正則化の応力三軸度上限 - DAMAGEキーワードがアクティブ化されている場合は、応力軟化効果は次の式によって定義されます:
ここで、図 2. - 損傷ありの応力テンソル
- 損傷なしの有効応力テンソル
- 損傷変数
- の場合、応力軟化は になった時点で開始します。応力軟化は完全連成です(図 1の青の曲線)。
- の場合、応力軟化は になると開始します。これは部分連成です(赤の曲線)。
- の場合、応力テンソルは になると0に急落し、その時点で破壊基準アプローチが得られます(緑の曲線)。
EXPフィールドを使用して、応力軟化効果に非線形性を追加して、応力軟化効果の形状を変更できます(図 2を参照)。図 3. 応力軟化パラメータDCが単軸引張で単一要素挙動に及ぼす影響
図 4. 応力軟化指数EXPが単軸引張で単一要素挙動に及ぼす影響
注: DAMAGEキーワードが指定されていない場合、損傷変数は出力変数になるだけであり、応力計算に影響を与える要素削除をトリガーすることはありません。損傷変数は、亀裂が始まる可能性の高い構造の重要箇所を示すだけです。 - DEP_SRフラグを使用して、要素破壊に対するひずみ速度依存性を導入できます。これにより、材料の延性が荷重速度に依存するようになります。次の2つの可能性が提供されます:
- V_TIDが定義されている場合は、TABLEMDによって表形式ひずみ速度依存性が定義されます。TABLEMDは、ひずみ速度に関する
進展で表される無次元係数の進展を定義します。これで、破壊時の塑性ひずみを掛けることで、ひずみ速度効果が損傷変数進展に導入されます。
ここで、図 5. - 応力三軸度
- Lodeパラメータ
- V_REF
- VT_SCALE
- 破壊時の塑性ひずみ
- ひずみ速度
- 連続的かつ解析的な式が望ましい場合は、参照ひずみ速度V_REFとパラメータJC(式内に表すとおり)のみを指定することで、Johnson-Cookひずみ速度依存性を設定できます。これで、損傷変数進展は次の式によって得られます:
図 6. 注: ひずみ速度の計算(相当または塑性ひずみ速度の合計)は、MATS1バルクデータエントリでの選択に依存します。塑性がない場合、ひずみ速度依存性を使用することはできません。
- V_TIDが定義されている場合は、TABLEMDによって表形式ひずみ速度依存性が定義されます。TABLEMDは、ひずみ速度に関する
進展で表される無次元係数の進展を定義します。これで、破壊時の塑性ひずみを掛けることで、ひずみ速度効果が損傷変数進展に導入されます。
- DEP_Lフラグを使用して、初期サイズに依存する要素の延性挙動を定義できるメッシュサイズ依存性を導入できます。これにより、連成損傷モデルや破壊基準の使用時に見られるよく知られたメッシュサイズ依存性を低減できます。E_TIDで定義されたTABLEMDによって、次のように与えられる初期要素サイズで無次元スケールファクターの進展が定義されます。
この場合、損傷進展は次のようになります:
ここで、図 7. - EL_REF
- FE_SCALE
- ひずみ速度依存性と要素サイズ依存性の両方を、競合を起こすことなく同時に使用できます。
- 要素タイプ(ソリッドまたはシェル)と定式化(低減積分または完全積分)に応じて異なる方法で、メッシュからの要素削除がアクティブ化されます。
- ソリッド要素の場合、削除が行われるのは、すべての積分点が破損した場合のみです。
- シェル要素の場合、削除が行われるのは、半分以上の積分点(厚み方向)が破損した場合です。
- MATS1バルクデータエントリのDAMAGE継続行を使用して、損傷の開始と進展の破壊基準(INIEVO)を定義することもできます。
- INIEVO基準の場合は、ひずみ速度依存性と要素サイズ依存性を使用できません。これらの依存性は、DMGINIおよびDMGEVOバルクデータエントリを通じて既に考慮されているためです。DAMAGEキーワードと、DCおよびEXPの各パラメータは、この基準でのみ無視されます。要素削除は常にオンになっており、DMGEVOエントリが定義されていれば、これによって応力軟化は全面的に制御されます。DMGEVOエントリが指定されていない場合は、破壊基準アプローチが使用され、DMGINIエントリで定義された損傷開始基準に達すると、要素が削除されます。
- PLAS破壊基準は、3つの異なるタイプの破壊基準(累積または独立させることが可能)を定義することができます:
破壊時の一定の最大塑性ひずみ値 に基づいた破壊。ここでは、応力三軸度やLodeパラメータ依存性は考慮されません。損傷変数の進展は次のように計算されます:
薄膜ひずみに基づく破壊は<Ezz>と表記され、<Ezz < 0>の場合のみ考慮されます。この薄膜ひずみを臨界値<Ef_thin>と比較します。入力値の符号によって、全ひずみまたは塑性ひずみのいずれかに対応します。損傷変数は次のように計算されます:
主ひずみによる損傷。主ひずみの正の最大値は、<Ef_maj>で示される臨界値と比較されます。損傷変数は次のように計算されます:
PLASで複数の損傷タイプが使用されている場合、最大損傷値が保持されます。
- INIEVO基準で要素サイズ依存性や損傷進展に使用される要素基準長
は、次の2種類の方法で計算できます:LENDTが指定されていない場合:
- シェルの場合( は面積)。
- ソリッドの場合( は体積)。
LENDTが指定された場合:
は、要素臨界時間ステップを計算するために使用される特性長さです。
- Johnson-Cook(JOHNSON)基準は、応力三軸度を考慮した弾塑性材料の破壊に使用される一般的な解法です。これは、応力三軸度の増加に伴い、材料の延性が指数関数的に減少することを考慮したものです。損傷進展は次によって得られます:
ここで、D1、D2、D3はJohnson-Cookのパラメータ。ひずみ速度依存性を使用する場合は、Johnson-Cookひずみ速度依存性係数を導入することができます。この場合、損傷時の塑性ひずみ式は次のようになります:
- 詳細については、ユーザーズガイドの陽解法動解析のセクションでMaterial Failure Criterionをご参照ください。